女性プロ野球ファンの意識調査結果 ~プロ野球での観客動員解禁によせて~

COVID-19はプロスポーツにも大きな影響を与え、プロ野球においても例外ではなく開幕が6月19日にずれ込み、無観客でのスタートになりました。しかし、7月10日に観客を入れての試合がスタートし、8月1日には政府のガイドラインにそって観客数の拡大も検討されるなど、徐々に活気のあるプロ野球が戻りつつあります。

女性ファンの獲得は各球団とも重要なテーマであることから、MS&Consultingではプロ野球開幕直前の6月12日~13日に、2019年シーズンに球場で野球を見た経験のある女性609名へアンケートを行いました。


1.プロ野球ファン度の分布について

まず、回答における「プロ野球ファン度」の分布としては、自分がプロ野球の「コアなファンだ」と答えたのは全体の15%「ライトなファンだ」と答えたのが全体の61%、「ファンではない」のは全体の24%という結果でした(図1)。「どのチームのファンですか?」という質問では、「阪神タイガース」「読売ジャイアンツ」「福岡ソフトバンクホークス」の順で回答数が多かった一方で、「どこのファンでもない」という回答も全体の14%を占めていました(図2)。


図1 「どのくらいのプロ野球ファンですか?」に対する回答分布(n=609)



図2 「どの球団のファンですか?」に対する回答分布(n=609)


2.「また球場へ行きたい」理由の違い

「また球場に行きたいと感じたか?」という問いには全体の約95%が「はい」と回答しており、先ほどの設問でプロ野球の「ファンではない」と答えた人でも80%は「また球場で野球が見たい」と答えていました(図3)。このことからも、プロ野球における観客の解禁および人数の拡大は女性ファンの目線からも待ちに待った朗報であったことが分かります。


図3 プロ野球ファン度別の「また球場に行きたいと感じたか?」に対する回答分布



「球場で野球が見たい」と思う理由を、プロ野球ファン度別にコメント分析をしてみると、以下のような特徴がありました。特に一番のボリュームゾーンであった「ライトなファン」にとっては、テレビ中継と比較して感じる迫力や一体感が「球場で見たい」と思う理由となっていました。

1:コアなファン・・・・選手が好き、選手のプレーが好き

2:ライトなファン・・・テレビで見るのと比較して○○(生の迫力がすごい、周りとの一体感がいい)

3:ファンではない・・・球場の雰囲気が好き、ビールがおいしい


「コアなファン」の来場動機

  • 球場の雰囲気が良い。選手を間近で見ることができるので、ファンサービスをもらいやすいです。昔から大好きなチームなので、これからも応援していきたいです。(東京ヤクルトスワローズファン、30代女性)
  • ベイスターズを長年応援してるし球場の雰囲気が楽しく、球場で売ってるごはんも美味しいから。選手を間近で見て応援したいから。(横浜DeNAベイスターズファン、40代女性)
  • 選手と一緒に戦ってるライブ感がたまらない(中日ドラゴンズファン、50代女性)


「ライトなファン」の来場動機

  • テレビで見ていた選手を生で見ることができる。球場の一体感が好き(オリックス・バファローズファン、10代女性)
  • 球場にいった時のワクワク感がとてもすきです。またみんなでいっしょに応援できるところもとてもいいです。(福岡ソフトバンクホークス、50代女性)
  • テレビにはない臨場感や、雰囲気が楽しめるから。(どこのファンでもない、30代女性)


「ファンではない」の来場動機

  • ルールがあまりわからなくてもビールを飲んだり風船を飛ばしたりと場の雰囲気が好きです。(東北楽天ゴールデンイーグルスファン、30代女性)
  • デートの際の選択肢として、彼と一緒に応援するのが楽しかったから。(どこのファンでもない、20代女性)
  • 地元の地域の応援をして地域を盛り上げたい(横浜DeNAベイスターズファン、60代以上女性)


3.ライブ配信サービスへの関心

観客動員数を抑制せざるを得ない中、注目されているのが「試合のライブ配信サービス」ですが、今現在「活用している」と答えていたのは全体の18%にとどまり、82%の人が活用していないという結果になりました(表1)。その理由として最も多かったのはどのプロ野球ファン度のグループでも「知らなかったから」となっていました。


表1 ファン度別の「ライブ配信を知っている」「ライブ配信を活用していない」比率


図4 ネットでの試合ライブ配信を活用していない人におけるその理由
(対象回答数:コアなファン/40名、ライトなファン/320名、ファンではない/139名)


ただ、この「知らなかったから試合のライブ配信サービスを活用していなかった」と答えた層に「ネットでの試合のライブ観戦を活用したいですか?」と聞くとおよそ37%が「活用してみたい」と答え、特に一番人数の多かった「ライトなファン」層については43%が「試合のライブ配信サービスを活用したい」と答えていました。(表2)


表2 ファン度別の「ネットでのライブ配信を活用していない人」が今後活用したいと思っている比率


また、試合だけでなく「選手の練習の様子」や「選手のインタビュー」といったコンテンツもネットで配信して欲しいという声がライトなファン層の女性から複数集まっていました。新しい日常におけるプロ野球の楽しみ方として、ライブ配信サービスを含めた観戦スタイルが今後注目されます。


【ネットで配信してほしいコンテンツ】

「コアなファン」の意見

  • 試合前や試合後の選手の行動など、テレビ放送されない部分(広島東洋カープファン、50代女性)
  • 試合前の練習風景。ブルペンの中の様子。可能な範囲で、ベンチの中の様子(福岡ソフトバンクホークスファン、40代女性)
  • 攻撃している方ではなく守備している方とか、自分の好きな選手や見たい選手にしぼれたりしたら、テレビ中継とはちがった見方ができていいなと思います。(横浜DeNAベイスターズファン、40代女性)


「ライトなファン」の意見

  • 試合も楽しいのですが、選手の一人一人に密着したコーナーも見てみたいです。(どこのファンでもない、30代女性)
  • ヒーローインタビュー以外の選手のコメント(北海道日本ハムファイターズファン、30代女性)
  • ネット配信は賑やかさに欠けるので、もっと熱気を感じたい(福岡ソフトバンクホークスファン、40代女性)
  • 勝ったときはみんなと六甲おろしを歌いたい(阪神タイガースファン、50代女性)


今回は女性プロ野球ファンの意識調査結果についてまとめました。今後、男性プロ野球ファンの意識調査も予定しており、その差異からファン獲得戦略のヒントも見えてくると考えられます。
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【参考①:球団のファンから見た「選手が魅力的」ランキング】


【参考②:球団のファンから見た「スタッフが良い」ランキング】


【著者紹介】

チーフコンサルタント 泰道善行

都市ガス会社でのシステム開発業務を経て、2000年日本エル・シー・エーに入社。

2008年MS&Consulting分社に伴い転籍、現在同社 リレーション事業本部所属。

①階層別教育、組織風土改善・人材活性化支援、現場改善運動の推進コンサルティング

上級マネジメント層(部長職クラス)、中級マネジメント層(課長職クラス)などマネージャー層への教育研修の他、店長や現場のリーダーから一般社員、パートアルバイトまで幅広い層を対象とした教育研修を実施。

研修にとどまらず、日々の業務と連動して改善運動を定着化させ現場・店舗の運営力を高めるコンサルティングも行っている。

②キャリア開発・キャリアコンサルティング

キャリアコンサルタントとして450名の個別キャリア支援、キャリアディベロップメント研修受講者300名に対するアドバイスを主に実施。また組織活性化に向けたキャリア制度構築の提案、社員向けキャリア研修も若手社員から中堅社員まで幅広く行っている。

主たる支援先業界

・ 小売業(SS、生鮮スーパー、食品小売業、アパレル、靴小売業、等)

・ 飲食業、ホテル業、銀行・信用金庫、保険業、情報システム業、大手商社

・ 製造業(自動車・自動車部品メーカー、金属素材メーカー、工業用電池メーカー、等 多業種)

・ 他 プロ野球5球団  など