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ベイクルーズグループ

売り上げが低迷するアパレル業界で、
数字至上主義から顧客目線への転換がもたらした
昨対110%の戦略とは ベイクルーズグループ

2019/12/23 更新

ファッション 100店舗以上 ミステリーショッピングリサーチ サービスチーム力診断
取材/川上敬司、編集/宮本紗和
※記載されている会社概要や肩書き、数値や固有名詞などは取材当時のものです。
「スピック&スパン」などの人気アパレルブランドを展開する、株式会社フレームワークス(ベイクルーズグループ)。ファッションの同質化が進むなか、顧客満足度調査「ミステリーショッピングリサーチ」(以下、覆面調査)、従業員満足度調査「サービスチーム力診断」(以下、ES診断)を導入し、売り上げ不振を打破した同社の戦略について、スピック&スパン店舗運営課セクションマネージャー 桑谷芽衣夢氏と、フィールドマーチャンダイザー 平野まり氏にお話を伺った。

売り上げアップの鍵は、顧客の再来店率アップ

――導入前の課題を教えてください。

桑谷氏:低迷した売り上げを改善するべく問題点を探るなかで、スタッフの売り上げ重視主義に気づきました。ヒアリングをしてもお客様の話があまり出てこず、数字にしか意識が向いていないスタッフがとても多かったのです。その状況に危機感を覚え、自分たちではなくお客様の方向を向くために何をすればいいのかと考え、MS&Consultingさんにご協力いただくことになりました。

また、覆面調査の結果から課題を見つけ、個人の売り上げからチームの売り上げへと目線を移した体制を作りたいと考えました。

桑谷氏:まず戦略として「顧客の定着と再来店率のアップ」を掲げました。当初は再来店率も低く、顧客の定着も悪い状態でした。そのための意識改革として、店舗運営課で「スピック&スパンのファンを作っていく」という目標を定め、その目標に則って研修などを行なうようにしました。さらには、ES診断を取り入れ働きやすい環境づくりを店長のリーダーシップを通して取り組むことも始めました

見えてきた、数字と現場の変化

――大きく変えた研修体制で、昨対超えを実現されたそうですね。

桑谷氏:改善した取り組みとして最も大きい部分は、研修制度の改革です。30店舗ほどを一斉に集めて行なっていた販売研修を、スタッフのステージとスキル別に分けて実施するようにしました。取り組みを始めたことで、数値にもはっきりと成果が見えています。上期で昨対110%、下期はもともと昨年の売り上げが大きかったにも関わらず昨対103%と、全体を通してかなりプラスの売り上げで推移できました。

平野氏:私の体感としても個人の数字が上がっている印象ですし、ヒアリングの際もスタッフが日々真剣に考えて取り組んでいることがとても伝わり、研修の成果が出ていると感じます。

ニーズを見越した細かい研修体制

――研修体制をどのように変えたのか、もう少し具体的に教えて下さい。

平野氏:販売研修は大きく3つのレベルに分けて実施するようになりました。ブランドを代表するような高レベルスタッフ向け、次に中堅スタッフ向け、そして、若手のスタッフ向けです。研修はすべて「スピック&スパンのファンを作っていく」という店舗運営課の目標につながるような内容にしていますが、スタッフのレベルによって店舗で求められることは変わります。それぞれのレベルに合わせた意識を持ち、目標を設定してもらうための試みです。

覆面調査の結果をフィードバックする際も、若手には調査レポートに記載されているコメントを伝え、顧客視点をディスカッションしながら学ぶ場にしています。また中堅には、スタッフが覆面調査の結果から気づいたことを記入する「気付きシート」の内容を使って自店舗をどう改善していくか、といった視点をプラスします。高レベルのスタッフには、「スピック&スパンらしい接客とはなんなのか」ということを考えてもらう、という感じです。

以前であれば、いかに商品を良く見せるかという内容だったレイアウト研修も、「このレイアウトを通してお客様に何を感じていただきたいのか」というしっかりとした軸を持ち、自分たちの言葉で伝えられるようになることが目的となりました。

桑谷氏:ほかにも副店長研修、時短勤務のママさんスタッフ向けのフレキシブル座談会など、新しい試みを始めました。自分の役割と全体の目標をより意識してもらうためですが、特にフレキシブル座談会は今までにない取り組みです。時代のニーズも高まっている中で、ロールモデルを創出できるように続けていきたいですね。

こういった細かな研修体制を整えることによって、離職率が大幅に減少するなどESの面でも結果が出てきています。

平野氏:今期の成果は、ブランドとして高めたいポイントの明確化と、それを追いかける仕組み作りができたことだと考えています。覆面調査で良い点数を取ることより、良いコメントをもらうことを目標とし、自分たちで設定したコメントゴールを忘れないという意識をしっかりと現場に落とせた実感があります。

桑谷氏:それぞれの取り組みを始めたことで、ブランドが大切にしていること、それにまつわる自分たちの役割や目標をみんなで決めていく、という文化が根づきつつあります。また、それを浸透させるための研修制度を整えたことでPDCAサイクルが回り、成果につながったと考えています。今後も、スタッフに「スピック&スパンで働けて良かった」と思ってもらえるように、日々進んでいきたいと思います。

売り上げアップのポイント

☑売り上げ重視から顧客目線への意識改革

☑レベルごとに行なう販売研修でニーズに対応

☑目的と目標を共有する仕組みが強固に

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