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株式会社東急モールズデベロップメント(SC企画開発運営事業)

施設開発から人材育成までコンセプトの一貫を目指して~たまプラーザ テラス~

株式会社東急モールズデベロップメント(SC企画開発運営事業)

株式会社東急モールズデベロップメント

東京都渋谷区道玄坂1-10-7 五島育英会ビル4階

会社ウェブサイト:http://www.tokyu-tmd.co.jp/

たまプラーザ テラス

神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-1-2

会社ウェブサイト:http://www.tamaplaza-terrace.com/

『季刊MS&コンサルティング 2013年秋号』掲載
担当:加地 義太郎・編集:西山 博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
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事業本部テナント企画室 部長 青木太郎氏。「たまプラーザ テラス」の開発から携わり、グランドオープンから3年間、同施設の運営も担ってきた。

駅に隣接する「たまプラーザ テラス」は主に3~5キロ内が商圏。2007年、「たまプラーザ テラス サウスプラザ」が先行オープン。その後09年、「たまプラーザ テラス ゲートプラザ」オープンとともに既存の「たまプラーザ東急SC」が「東急百貨店ノースプラザ」としてリニューアルオープン。順次施設を開業し、10年10月にグランドオープンの日を迎えた。

「何かを買う目的がなくても、子供と毎日にここに来ています」と、あるたまプラーザ在住の女性は話す。微笑みながら話す目線の先には、広場を駆け回る子供が映っている。「目的がなくても毎日立ち寄っていただける施設」をイメージして設計された、たまプラーザ テラスには、自由に使える広場や休憩所がいくつも設けてある。

「子供にとっては、何もない場所が一番贅沢な場所なのです。何もない場所で、自分たちで考えた鬼ごっこや、でんぐり返しをする。そして、広場の周りのフードコートから親が見守っている。そんな温かくて滞在性の高い空間を作りたかったのです」と語るのは、開業から3年間、総支配人を務めた青木太郎氏(現、事業本部テナント企画室 部長)だ。

青木氏に開発段階から現在に至るまでの他SCとの差別化の方針を聞くと、意外な答えが返ってきた。「実は、開発のときに差別化は考えませんでした」(青木氏)

まずはプロモーションと商品、その後に本物の“ホスピタリティ”

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たまプラーザ駅を囲む形で建設された「たまプラーザ テラス」は、街の居住者の生活の一部となっており、2010年にグランドオープンして以来、業績を伸ばし続けている。

「差別化し特徴を尖らせた施設は都心では成り立ちますが、生活と密着しているこのエリアで独自性を追及してしまうと、売上が立ちません。一部の人が欲しいものに特化するよりも、まずは、多くの方が欲しいブランドや商品を揃えることが先決です。ホスピタリティも大事ですがそれだけではダメです。ただ、この付近は“SC銀座”と言われるほどエリア内にSCがひしめき合っています。つまり、お客さまの側からすると選択肢はいっぱいあるわけです。一度、嫌な経験をしてしまうと、いつでも他の選択肢に移ることができます。そこで次に必要となるのが、“本物のホスピタリティ”です。SCというのは1法人で成り立っている組織ではなく、複数のテナント企業、そしてサポート企業、それぞれが別法人の組織です。その中で一つの雰囲気、文化をつくるのは、とても難易度が高い。それは単に“他のSCがやっている研修だからうちでもやろう”というレベルで研修をしても成功しないと思っています」(青木氏)

スタッフが施設を好きであること、そのためにできることは何か

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施設の魅力、商品の魅力、そして人の魅力。どれもSCには欠かせない要素だ。接客によって施設や商品の魅力を引き出し、売上につなげる視点が求められる。

ホスピタリティの文化をつくるために最も強く意識して取り組んできたのは、働くスタッフにたまプラーザという場所、たまプラーザ テラスという施設を好きになってもらうことだという。「グランドオープン時には、スタッフのご家族を対象とした“家族内覧会”を実施しました。家族から見て“こんな素敵な場所で働いているお父さん、お母さんは格好いい、息子、娘が誇らしい”と思ってほしいと企画しました。ご家族の理解があるかないかは、スタッフにとって重要です。内覧会をきっかけに、スタッフから良かったという声をたくさんもらいました」(青木氏)

また、スタッフとの距離を縮めるために開業以来続けている取り組みがある。「開業以来、ランチミーティングを継続して行なってきました。毎月、各テナントの店長10名ほどの方々に集まってもらい、ざっくばらんにお話をします。仕事の話だけではなく、趣味や家族のことなど、プライベートな話をするのです。それによって仕事の上でも気持ちを共有しやすくなりますし、別の場所で話をする機会にも、短い時間でより多くの情報を教えていただけるような関係になります。横のつながりを促していく効果もあり、お互いにメリットがあるのです」(青木氏)

最も濃密な意識共有の機会、1泊2日の“テラストリップ”

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本年2月20 日~ 21日にかけ、箱根湯本にて「たまプラーザ テラス 店長研修(テラストリップ)」を実施した。

同施設の体系的な教育研修の仕組みの中でも、「実現は難しかったが、ぜひ続けたい」と青木氏が評するのは、全店長を対象とした1泊2日の研修“テラストリップ”だ。休日が固定ではないテナントにとって、平常時に数時間の研修を行うのも負担になりがちなのに、宿泊を伴うものは非常にハードルが高い。それでも試みたのは、「2時間後に業務に戻らなければいけないような状況だと、研修内容をしっかり咀嚼するだけのマインドセットにならない」という考えからだ。「テラストリップは、開業前から行なうことを決めていました。1年目のテラストリップはディズニーランドに行ったのですが、非日常の空間でグループワーク、懇親会を行なうと、飛躍的に距離が縮まります。泊り込みで学ぶ、語る、を繰り返すことで、開始時には渋っていた人もいましたが、終わってみたら皆が十分な手応えを得ているのが分かりました」(青木氏)

今年の2月には、箱根で2回目のテラストリップを行なった。1年目は仲間として一つになるきっかけをつくることが主な目的であったが、2年目の箱根では自店のことを考えてもらうための工夫を凝らした。テラストリップで一年間の目標と計画をつくり、日常の営業や研修、そしてフォローアップ研修による振り返りへとつなげていった。「もちろん、単に“コミュニケーションが取れるようになって良かった”だけでは本末転倒です」と青木氏は話す。周囲には競合になりうるSCも多数あるが、たまプラーザ テラスの業績は影響を受けておらず、毎年伸長している。その点と、地道なコミュニケーション施策を照らし合わせると、一連の取り組みが単発で終わらず、トータルで成果が上がるように考えられていることがうかがえる。

「4年かかって、ようやくここまで来た感じです」と青木氏。しかし、理想の実現にはまだ長い道のりがある。「テナントの店長は1年で3分の1が異動するので、3年経てば全く新しい組織になっています。たまプラーザ テラスでは、たとえ人が変わっても、共通のコンセプトを全スタッフで追い求められるようにしていくことが目標です」(青木氏)

「私を、かなえる場所。」コンセプトの実現を目指して

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「私をかなえる場所」であるために、それぞれに、どのような言葉をかけてもらえるような店、そして自分を目指すのか、その想い(目標)を絵馬に書き込んでいく。

同施設の全ての活動には、開発当時に決めた「私を、かなえる場所。たまプラーザ テラス」というコンセプトが根本にある。そこには、「たまプラーザ テラスに関わる全ての人、サポートスタッフ、テナントスタッフ、マネジメントオフィスのメンバーなど働く人々にとっては自己実現の場であり、お客さまにとっては、かけがえのない日々の一部でありたい」という願いが込められている。しかし、開発当時のコンセプトを貫くというのは易しいことではない。「開発時は色々とアイデアが出て、好きなことが言えます。しかし、実際に運営してみると、想定していなかったような危険や大変なことが出てくるものです。一方で運営を考えすぎると、開発として面白くなくなります。たまプラーザ テラスでは、私を含め、開発したメンバーの数名が運営会社へ移り、引き継ぎがスムーズだったため、バランスがとれていたのだと思います」と青木氏は振り返る。

トータルプロデュースのパートナーとしての存在

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テラストリップの最後には、「お客さま・自店舗のスタッフ・店長自身」のそれぞれの視点から、1年後に目指す状態とそのために取り組むことを記入し、全22班の絵馬が完成。

同施設では、年間を通してさまざまな教育機会を設けている。そこで注意しているのが、総合的なゴールの共有だ。その年間のトータルプロデュースに「MSさん(MS&Consulting)がかかわっている点も大きい」と青木氏は話す。

「研修会社ごとに得意不得意がありますので、一社で全ての研修をお願いすることはありませんが、研修会社ごとにゴールがバラバラになると、成果が出にくくなります。MSさんには他社の研修にも同席していただいており、私たちが一番提供して欲しいのは何かを知っていただいています。MSさんが私たちの目指すことを汲み、同じ思い、熱さをもってチームとして取り組んでくださるから、一連の年間計画のクオリティや成果につながっているのだと思います。中には雑務もありますが、それに一緒に臨むことで魂が宿りますし、そうやって汗をかいてもらえることはありがたいです。宿泊型研修『テラストリップ』も、MSさんの親身なコーディネートがあったから参加者が早く打ち解け、高い成果を上げられたと思っています」。

グランドオープンから丸3年が経った今、この先の展望をうかがうと、「自分が異動しても、今の風土づくりを続けられる仕組みを構築したい」と青木氏。「やり方は人それぞれでも、SCが一体となって目指すものは同じ。さらなる発展のためにも、今後も一人ひとりの『私を、かなえる場所。』の実現を見据えていきたいと思います」。

たまプラーザ テラス様の一貫した教育の仕組み

株式会社MS&Consulting コンサルタント 加地 義太郎

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「2013 年のたまプラーザ テラス皆で作ろう。その“ はじめの一歩” は?」をテーマに、「自ら働きかける事の大切さ」、「自分たちの強み・価値の発見」を学ぶ研修を行った。

教育機会を多く設けるSCは近年特に増えてきていますが、ロープレ研修、店長のリーダーシップ研修、覆面調査の研修など、それぞれにおいて違う研修会社を採用し、研修ごとに設けられた目標が処理しきれない量となって、テナントのスタッフの方が後追いしきれないということがよく起こります。しかし、たまプラーザ テラスでは、テラストリップで一つの年間目標設定をしたら、それに基づいてさまざまな研修をしていくので、納得感をもって改善活動を進めることができます。単に素晴らしい研修を提供するだけでなく、いかに“後追いの仕組み”を作るかということを、たまプラーザ テラスのマネジメントオフィスの方々は高いレベルで考え、実行されているので、一体感の醸成→質の高いアクション→成果につながっているのだと思います。さまざまな取り組みを一貫した流れの中に位置付け、風土をつくり、成果につなげるという、SCにおいて非常に難しいことを実現しつつあるのは、業界にとっても大きな功績と言えると思います。

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