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株式会社アクア・グラツィエ (ブライダル)

信頼されるスタッフを育成し、花嫁の美を総合的にプロデュース

株式会社アクア・グラツィエ (ブライダル)

株式会社アクア・グラツィエ

東京都渋谷区東3-11-10 恵比寿ビル

会社ウェブサイト:http://acquagrazie.com/

『季刊MS&コンサルティング 2012年春号』掲載
取材:西山博貢、文:高島 知子
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
婚礼を構成するさまざまな要素のうち、ドレスが占める割合は非常に大きい。ブライダル産業におけるドレスの売上(レンタル・販売)の割合は、実に4分の1を占めており、大手~中堅だけで約300社がしのぎを削る。そんな中、アクア・グラツィエは卓越したデザインとサービスで顧客の心をつかみ、衣装とヘアメイクの客単価は100万円を超えている。年間約8,000人の新婦に対して常に新たな付加価値を提供し、業界を牽引する。

ドレスだけでなく「トータルビューティー」を提供

モデルの蛯原友里(左)と押切もえ(右)。定期的に新作を発表、ファッションショーを行っている。同社は設立当初から人気の女優をショーに起用したり、デザインセンスに定評のあるモデルにプロデュースを依頼したりと、話題性にも事欠かない。

モデルの蛯原友里(左)と押切もえ(右)。定期的に新作を発表、ファッションショーを行っている。同社は設立当初から人気の女優をショーに起用したり、デザインセンスに定評のあるモデルにプロデュースを依頼したりと、話題性にも事欠かない。

アクア・グラツィエは、2001年の設立当初から、日本人向けにデザインしたドレスを縫製技術や素材の質が高いイタリアで制作して話題を集めた。現在ではドレスに留まらず、ヘアメイクや写真撮影の手配、ビューティーケアサロンの運営やブライダルホームケアコスメの開発・販売まで手がけている。

「ブライダルをオーケストラに例えるなら、プロデューサーは指揮者、衣装やヘアメイク、装花、写真は楽器。当社は 幅広い領域をカバーしていますが、どれも『花嫁さんの美しさをトータルでプロデュースしたい』と突き詰めた結果です。中でもドレスは、ピアノやバイオリンに匹敵するほどの存在感があります」と、専務取締役の三浦めぐみ氏は笑顔を見せる。しかし、ドレスが素晴らしくても、ヘアメイクがドレスに合っていなかったり、ストレスで肌が荒れてしまったりしては、一生に一度の日を最高のコンディションで迎えることはできない。そうした考えから、ブライダルのソフトの部分を総合的にサポートする事業展開に至っている。

専務取締役の三浦めぐみ氏。株式会社アクア・グラツィエ

専務取締役の三浦めぐみ氏。株式会社アクア・グラツィエ

同社は2005年に、全国に婚礼用ゲストハウスを展開するベストブライダル社のグループ会社となり、現在はその施設・サービスを利用する人が顧客の8割を占めている。「元々、ベストブライダルのゲストハウスのイメージに合うようなドレスを用意したい、という先方の意向を受けて提携が始まったのですが、互いにブライダルのビジネスやお客様に対する考え方を理解し合えたことから、傘下に加わることとなりました」。

 新しいアイデアの探求を仕組み化する

ブライダルは、さまざまな専門領域が集まって成り立っている。自社のスタッフだけでなく、装花や聖歌隊に至るまで、パートナー企業のスタッフとも想いを共有することが欠かせない。

ブライダルは、さまざまな専門領域が集まって成り立っている。自社のスタッフだけでなく、装花や聖歌隊に至るまで、パートナー企業のスタッフとも想いを共有することが欠かせない。

アクア・グラツィエは、ベストブライダルのゲストハウスで式を挙げる年間約8000名に及ぶほぼ全ての新婦のドレスを手配するほか、ベストブライダル経由以外のフリー顧客を含めると、年間約1万件ものドレスを手配している。

高い顧客満足を実現している理由の一端は、常に新しいアイデアを模索する同社の姿勢にある。定期的にドレスの社内デザインコンペティションを行い、全スタッフからデザイン案を募っているのだ。ドレスを扱うスタイリストだけでなく、ヘアメイクやビューティーケアのスタッフ、また男性社員やアルバイトも参加する。

日頃の業務でドレスに関わっていないスタッフが、意外と斬新な案を生み出すことも珍しくないという。「優れた案は表彰しています。これは、事業にとっての大きな刺激になると同時に、スタッフのモチベーションや自主性の向上にもとても効果がありますね」と三浦氏。このような仕組みが定着しているからこそ、業界に常に新風を吹き込むことができるのだ。

美容部 統括マネージャーの前原孝行氏。前原氏はホテルマン時代から一貫してブライダルに携わってきた。新しい価値を生み出すこと、継続すること、細かく分析し細部にこだわることを信条とする。

美容部 統括マネージャーの前原孝行氏。前原氏はホテルマン時代から一貫してブライダルに携わってきた。新しい価値を生み出すこと、継続すること、細かく分析し細部にこだわることを信条とする。

また、ヘアメイクやビューティーケアに関しては、商材に裏付けられた技術が欠かせない。美容部 統括マネージャーの前原孝行氏(右写真)は、技術の水準について次のように話す。「スタッフそれぞれが技術水準を高めることはもちろん必要ですが、ばらつきを抑えることも大切です。私たちの事業は、どのスタッフが担当しても安心していただける均質なサービスが肝心ですから、例えばヘアメイクを担当するスタッフにはハリウッドの技術のディプロマ(修了証明書)の取得を義務付けるなど、商材そのものを変えることによって技術のクオリティを裏付けています」。

 人を大事にする企業理念と行動指針

「お客様のメンタル面をケアするのも仕事」と三浦氏。

「お客様のメンタル面をケアするのも仕事」と三浦氏。

だが、商材と技術で十分かというと、決してそうではない。三浦氏は、「ウェディングはやはり“人”で成り立っているビジネス」だと語る。どんなに商材が良くても、対応するスタッフが信頼できなければ、顧客に選ばれることは難しい。

同社は企業理念として、「ブライダルを通して美しさと感動と喜びを発信」「人と人のつながりに感謝と尊敬の念を」「ハッピーメーカーとして夢をカタチにする努力を惜しまない」の3つを掲げている。これを実現するために、“誓いの言葉”として「約束を守る」「前向きに」など5つの行動指針を定めている。

「身だしなみをきちんとしていなかったら、美しさを発信できるわけはありませんよね。お客様を美しくするだけでなく、私たちも相手に対するおもてなしとして綺麗にしていなければ」と三浦氏。特に3~5年目の若手スタッフを対象に、自分を磨く意識を根付かせている。

新婦は忙しく働く女性がほとんど。同社ではビューティーケアからブライダルホームケアまで手がけることで、挙式当日に新婦が最も美しい姿になれるようサポートしている。

新婦は忙しく働く女性がほとんど。同社ではビューティーケアからブライダルホームケアまで手がけることで、挙式当日に新婦が最も美しい姿になれるようサポートしている。

ただ、人としての魅力を磨くような教育は得てして曖昧になりやすく、多くのサービス業で苦戦しているのも事実。そこで同社では、声かけ一つに至るまでつぶさにマニュアル化し、それに沿って行動することで自然と顧客との関係が築けるように仕組み化している。

「例えば、当日は新郎新婦はもちろん、ご両親も少なからず緊張されています。お母様の着付けをするなら、その気持ちにも配慮した声かけの内容や、和服の振る舞いなどお伝えすべきこともマニュアルにしています」(三浦氏)。この徹底ぶりが、全体のサービスの質を底上げしているのだ。さらに、ブライダルは人生の大切な節目のイベントであることから、年齢を重ね人生経験を重ねた人ほどお客様の気持ちを汲んだ対応ができると考え、永く勤められるように研修制度なども充実させている。

 「クレーム0、喜び100」

『クレーム0』だけを目指していた時期もありましたが、お客様に喜んでいただくことをイメージできるように『喜び』を加えて、『クレーム0、喜び100」というスローガンになりました(前原氏)。

ベストブライダルグループは、ゲストハウスウェディングのリーディングカンパニー。その会場に合うドレスをはじめ、ウェディングに付随するあらゆるサービスを連携させることで、質を高め安心感を提供している。

ベストブライダルグループは、ゲストハウスウェディングのリーディングカンパニー。その会場に合うドレスをはじめ、ウェディングに付随するあらゆるサービスを連携させることで、質を高め安心感を提供している。

前述のように、高い顧客満足を誇るアクア・グラツィエ。それでも、「100%のお客様に100点満点だと言っていただけるようにしたい」と三浦氏は力強く語る。そのために「クレーム0、喜び100」というスローガンを掲げている。

「ひたすら『クレーム0』を目指していた時期もあったのですが、かえって萎縮して積極的な接客ができなくなり、スタッフのモチベーションも低下してしまいました。しかし、『クレーム0』は目的ではなくお客様に喜んでいただくための前提なので、そのことをいつもイメージできるように『喜び』という言葉を加えました」(前原氏)。

だが、すでに一般的な水準からはかなり高い顧客満足を獲得しているので、自分たちの視点だけで欠点を見つけ、具体的な改善策を立てるのは難しい。そこで、自社のサービスを客観的に把握するために、ミステリーショッピングリサーチを導入したという。

ドレス自体のレベルからサービスのクオリティまで、「他社を意識して競争する立場にはない」と

ドレス自体のレベルからサービスのクオリティまで、「他社を意識して競争する立場にはない」と

同社が向き合っているのは、実際にサービスを利用する新郎新婦だけではない。一組一組の婚礼を取り仕切るベストブライダルのプロデューサーも、同社にとっては顧客だ。この両方の顧客が満足するサービスを追求することを目指し、ミステリーショッピングリサーチの導入に先立って、まずは独自のチェックリストなどを用いて業務の質を見直すところから着手した。

「ミステリーショッピングリサーチではニュートラルな目で見られるからと、自分たちのサービスを改めて確認するように促しました。満を持してミステリーショッピングリサーチを導入した結果、お客様に実際に満足していただいていることが分かり、スタッフ一同で喜びました」(三浦氏)。

ブライダルは“感動ビジネス”とも言われるが、ただ一概に過剰なサービスをすれば良いわけではないと同社では捉えている。なぜなら、次の機会に同様のことが行えないと、かえってマイナスな印象を持たれてしまうからだ。

流行を取り入れながらも日本人好みのデザインを生み出し、イタリアで制作しているアクア・グラツィエの選りすぐりのドレス。会場となるゲストハウスや演出をイメージしながら、スタッフが丁寧にアドバイス。

流行を取り入れながらも日本人好みのデザインを生み出し、イタリアで制作しているアクア・グラツィエの選りすぐりのドレス。会場となるゲストハウスや演出をイメージしながら、スタッフが丁寧にアドバイス。

「最終的にお客様の満足につながるのは、電話対応からお見送りまで、やはり一つひとつの対応に心を込めることだと思います。ミステリーショッピングリサーチの考え方と同じように、やはり飛び抜けた感動を目指して肩に力を入れるよりも、期待通りのサービスを積み重ねて信頼してもらうことこそが大切だと思います。それを忘れないためにも、ミステリーショッピングリサーチを継続的に活かしながら、これからもニーズに応じて事業領域を拡大し、顧客満足を追求していきたいですね」(三浦氏)。

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