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売れているスタイリストの共通点

株式会社MASHU

『季刊MS&コンサルティング 2011年秋号』掲載
取材:西山博貢、文:高島 知子
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。

株式会社MASHU 代表取締役社長 増成進氏に、売れているスタイリストの共通点を3つ、挙げていただきました。

1.どれだけお客様のことを知っているか

以前、店舗の売上データを基に、抜き打ちで上位顧客の情報を書き出してもらう、という研修をスタイリストに対して行ったことがあります。売れているスタイリストは例外なく、ものすごくよく書いていました。それだけお客様とコミュニケーションを取っているということ。お客様の方をよく向いているということです。

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株式会社MASHU 代表取締役社長 増成進氏


2.技術への自信

技術が上手い人は、顔つきが違うのでお客様にもすぐに分かります。同じように「任せてください」と言っても、技術がうまい人は自信があって落ち着いている一方、技術が下手な人はわずかでも不安を抱えているものです。そういうのは、潜在意識で分かってしまいます。自信はお客様の潜在意識を刺激するのです。


3.心のキャパシティ

とはいえ、お客様が完璧に気に入るスタイルやサービスを毎回提供できるかというと、それはほとんど無理です。あのときのスタイルが一番良かった、前回はあれだけしてくれたが今回はそっけないな、などと誰でも感じるものです。サービスには、クオリティを一定に保つことが難しいという特徴があります。

つまり、売れているスタイリストは、お客様が許してくれているのです。許してもらえるということは、お客様から好かれているということです。好かれるには、好きにならないといけません。多くの人に好かれるには心のキャパシティが広くなければならないのです。こういう人は得意だがこういう人は苦手、というように好き嫌いがあると、売れるスタイリストへの道は険しいですね。誰でもいける、誰でも好きになれるということが必要なのです。


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100万円を売り上げる“100万スタイリスト”を次々と生み出す店長
南堀江店 高木 由香店長

Q. 売上が上がるスタイリストになるためには?

第一に考えているのは、お客様のことをできるだけ知るということです。新規のお客様に対しては、お店で使っているアンケートの中で、ライフスタイルを確認する質問を行い、どのような人なのかを把握するようにしています。例えば、趣味を書いていただくと、その人がオンとオフでどのような違いがあるのか、オフをどのように捉えているのかがイメージできます。マリンスポーツが趣味のため色抜けが早い、お子様がいらっしゃるので頻繁なご来店ができず、ヘアスタイルにかけられる予算も限られているなど、お客様それぞれの事情が分かれば、お客様に合わせた最適なご提案に一歩近づくことができます。

そうしたお客様の基本的な情報からお客様に合った提案を自分なりにイメージした上で、お客様の髪の悩みをヒアリングしていきます。そのようにして集めたお客様の情報から、色々な髪型を試して楽しむ、スタイルは現状のままでもトリートメントは丁寧に行う、髪が伸びても手入れが少なくて済むスタイルが良いなど、お客様にとって理想的な「半年後」を考えます。お客様が具体的なイメージを持たれていなくても、お客様の状況やご希望を刷り合わせながら一緒に具体的なプランにまで落とし込むことで、本当にお客様の立場に立ったご提案をすることができるのです。

また、スタイリストとアシスタントとの連携も大切です。カラーやパーマの施術では担当がアシスタントに変わることがありますが、「スタイリストに伝えたことがアシスタントに共有されていないのではないか」とお客様に感じさせてしまうような要因があると、お客様は不安を感じます。お客様に安心を感じてもらうためには、スタイリストだけでなく、お客様に接するスタッフ全員がお客様のことを理解し、理解していることをお客様に伝えるという工夫も必要になってくると思います。

南堀江店 高木 由香店長


Q.スタイリストが成長するために必要なことは?

どのお客様に対しても「本当の意味でお客様目線になっているか」ということを常に自問自答するようにしています。常に目の前のお客様に全力で取り組む、成長にはそれが一番だと思います。

若手スタイリストであれば、お客様に合ったスタイルが自分の中でイメージできているにも関わらず、自分の技術的な理由からお客様にそれを提供できないということもあると思います。目の前のお客様に全力で取り組む人は、そうした時も「次に来たときにはそれを実現できる技術を身につけておこう」と思って努力します。そうした意識があると、ウィッグで練習するときでさえ、自然に鏡を毎回確認し、本当のお客様を想定するようになります。そうした姿勢が成長スピードを高めるのだと思います。


お客様に喜んでいただくという原点を見直す
北堀江店 福田 美和さん

Q.売上が上がってきたきっかけは?

売上が上がったきっかけは、お客様に喜んでもらうことに集中しようと決めたことでした。以前はやっていたはずなのに、慣れてくるにつれやらないようになってしまったことが色々とありました。それをもう一度見直して、お客様の気持ちを常に意識するようにしたのです。たとえば、新規で来てくださったお客様や違うスタイルに変えたお客様には後日フォローの電話をすることなど、よりお客様に安心してもらえるように気を配るようになりました。

また、お客様によって対応にムラが出てしまわないように気をつけました。カットの時間についても改めてチェックしようと思い、施術をしながらストップウォッチで時間を測ったりもしました。これまで何となくやっていたことでも、意識するだけでタイムが短くなったりするんです。そうした一人一人のお客様に対する意識が

北堀江店 福田 美和さん


Q. なぜお客様に対する意識が変わったのですか?

お客様に対する意識が変わった一番大きな要因は、お店の体制が変わったことだったと思います。以前の北堀江店は、個人がそれぞれに頑張って売上を伸ばしていました。しかし、店の人員体制が変わったことをきっかけに、「北堀江店にいらしたお客様は全員のお客様」という意識に変えたのです。店舗全員で『難波で一番居心地がいいお店を作ろう』と決めて取り組みました。

アシスタントが細かい気配りをするようになったことも大きかったです。雑誌を読むときに読みやすいよう、お客様の膝の上にクッションを置くようにしたり、お見送りの際に走ってお客様のところに来たりするようになりました。そのうち、お客様に喜んでもらうにはアシスタントを含めた全員の能力向上と連携が大切であるということに皆改めて気が付き、アシスタントのトレーニングも以前に増してしっかりと見るようになりました。


Q. お客様に満足してもらうための取り組みは?

特に新規のお客様については、お客様のニーズをどうやって引き出すかを意識しています。「何かご希望はありますか?」というように少し質問を工夫するだけで、お客様が話しやすくなるのです。

また、お客様から伺った情報は、担当者だけでなく、そのお客様に関わったスタッフ全員が書くようにしています。それを全員で共有することによって、お客様をお店全体でお迎えするのです。こうして振り返ってみても、やはりお客様に喜んでいただきたいという想いが一番大切なのだと感じます。


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