絞り込み
株式会社リン・クルー

外食企業10店舗の壁を信頼関係で突破、ミステリーショッピングリサーチ得点急上昇の理由 株式会社リン・クルー

2010/07/01 更新

全社員が共通のミッションを目指す

v70-05

リン・クルーでは、70あるミステリーショッピングリサーチの項目の中から、最も重きを置く1項目だけを徹底するようにしている。それは、「自然なお勧め」だ。簡単そうに見えて難しく、総合評価との相関性が高い項目であった。業態力やマニュアルの力ではなく、現場の裁量が強く影響する項目でもある。実際に、この項目が徹底できている店舗は平均約170点、できていない店舗は平均約145点だったことから決定した。しかし、重要なのはどの項目を選ぶかではなく、全社員でシンプルなミッションを共有できていることだ。

その意義を伝えた後、実現させるためのやり方は現場に任せる方針だ。他の点数は見ずに、このポイントだけを徹底し、その結果を毎月フィードバックしている。

それ以上の部分は、インセンティブ制度として評価している。ホールスタッフはミステリーショッピングリサーチの4番と5番の項目(気配りと笑顔に関する総合評価)、キッチンスタッフは3番目と7番目の項目(料理の美味しさと提供時間)で、これらの項目が満点であれば、一律5,000円を支給。また、「輝いていたスタッフ」にアルバイトスタッフの名前が挙がった場合も、当人に5,000円を支給する。支給後のモチベーション向上は見た目からも分かるという。

明快な基準

v70-04

良いところにばかり目を向けて、悪い点があれば放っておくのではサービス品質が担保できない。守るべき最低限のラインは、お客様を不満にさせないことだ。リン・クルーでは、それを具体的に、「『頑張ってほしいスタッフ』に書かれないこと」と定めている。ミステリーショッピングリサーチで頑張ってほしいスタッフに名前が挙がれば、3日以内に顛末書を書かなければ全社広報の対象となる。この制度を開始してから、「頑張ってほしいスタッフ」に名前が書かれる確率は格段に下がった。

また、最も大切にしたい考え方を「お客様に対するおもてなし」であるとし、毎月、ミステリーショッピングリサーチを深く読み取った結果を、伊藤氏が各店舗別に発信している。ミステリーショッピングリサーチの深読みを通して、お客様の気持ちの背景を読む訓練が各個人の人生の充実につながると考えているからだ。

ミステリーショッピングリサーチを深く読み込んだ上で、各店舗に毎月届くレポートの読み取りのポイントを細かく伝えている。「ミステリーショッピングリサーチはコメントに毎回説得力があり、疑いを掛ける余地がありません。また、受け入れやすく納得感がある。それを利用して、お客様一人ひとりの評価の背景を考えてもらっています」と伊藤氏は話す。

改善活動を円滑化させた取り組み順序

v70-02

このように数々のポイントがあるが、これらの取り組みを実施した順序からも学ぶところは多い。

リン・クルーの場合、ミステリーショッピングリサーチの導入前には、既に幹部同士・社員同士の信頼関係が築けていた訳だが、その上で、1年目は、ネガティブ視点からポジティブ視点への変化をテーマとした。考え方だけを伝え、活動は全て店に任せた。まずはミーティングシートを使ったミーティングを継続し、ミーティングをやっているかどうかだけは毎月チェック。ミステリーショッピングリサーチ平均点は上がらなかったが、最初に信頼関係と情報共有・話し合いの場というインフラを整備した。

体制が整い始めたところで、役職に関係なく誰の意見も尊重することを体現するため、期間限定の投票箱で意見を募る「発掘!アイデアマン制度」を発足した。最初に本部が意見を受け入れる姿勢を示すことで、言いたいことが言え、チャンスを与えてくれる雰囲気を醸成した。

2年目で、本格的な改善活動をスタート。まず取り組んだのは、ミッションの簡潔化と明確化だ。ミステリーショッピングリサーチ重点項目を設定し、ミステリーショッピングリサーチによりお客様の気持ちの背景を読む訓練を開始した。そして、社内制度への組み込みを行った。最低限のラインを設定すると共に、インセンティブ制度を発足。2年目で急速に成果が表出した背景には、土台づくりを行い、風土をつくり、ミッションを定め、制度に落とし込むという段階を経ていたことが一つのポイントであったと言えるのではないだろうか。

v70-09

v70-07

「今、これまでの取り組みを振り返って一番大切だと感じるのは、やはり信頼関係と仲間意識です。幹部は皆、元々いわゆる“ディスコの黒服”の出身でした。ディスコの世界では、先輩は後輩を守らなくてはいけないという文化がありました。それが今の組織にも根付いているのだと思います。人と人の個人的なつながりというのを、これからも大切にしていきたいですね」と伊藤氏は語ってくれた。

この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。

株式会社イーストン

2019/08/27 更新

株式会社イーストン

MSナビを活用し、覆面調査の再来店意向満点比率20%アップ 震災後、わずか5カ...

  • 外食
  • 10~50店舗
株式会社タイソンズアンドカンパニー

2019/05/24 更新

株式会社タイソンズアンドカンパニー

覆面調査の結果が見られるアプリ「MSナビ」の活用で お客様満足度、前年比112...

  • 外食
  • 10~50店舗
株式会社トランジットジェネラルオフィス

2019/03/11 更新

株式会社トランジットジェネラルオフィス

スタッフの離職率が大幅改善! ES調査の結果に基づく”課題を絞り込んだ取り組み...

  • 外食
  • 100店舗以上

事例検索
業種・店舗数・
導入サービスから選択して探す

無料メルマガ会員に登録すると、メールマガジンで「最新記事」や「無料セミナー・イベント」情報が届きます!