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JR九州ドラッグイレブン株式会社(ドラッグストア業態)

セルフメデュケーションの担い手として、地域のかかりつけ薬局へ。HERBプログラムによる、全社組織風土改革への挑戦

JR九州ドラッグイレブン株式会社(ドラッグストア業態)

JR九州ドラッグイレブン株式会社

福岡県大野城市川久保1-2-1

会社ウェブサイト:http://dgmp.jp/

『季刊MS&コンサルティング 2010年夏号』掲載
取材・文:西山 博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。

2極化が進むドラッグストア

高齢化社会の進行による社会保障費膨張を抑えるため、スイッチOTC(※)市場の拡大はほぼ確実と予測されており、今後は大衆薬である一般用医薬品の重要性がより高まっていく。現在のドラッグストアの市場規模は約5兆円、調剤薬局の市場規模も約5兆円と言われているが、今後、適切なアドバイスによる未病・予防を中心とした地域医療の担い手として、ドラッグストアがセルフメディケーションの役割の一端を担うことができれば、さらなる市場拡大が見込まれる中、ドラッグストアは10兆円産業を実現できるであろう。そのような状況の下、地域住民に美容と健康を届けるという同じ目的を達成するために、利便性を追求したディスカウント重視型の業態と、調剤薬局的な専門性を追求した地域のかかりつけ薬局としての業態への2極化が進みつつある。

※スイッチOTC:これまで医療機関を受診しなければ手に入らなかった処方薬が、一般用医薬品として薬局などで買えるようになったもの。OTCはOver The Counterの略で、医師の処方箋なしで購入できる医薬品のことを指す。

サービス力とカウンセリング力の強化に向けて

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JR九州ドラッグイレブン株式会社(以下、ドラッグイレブン)では、地域のかかりつけ薬局としてのポジショニングにより九州ナンバー1のドラッグストアを目指して『お客様に選んで頂けるサービスとカウンセリング』をテーマに掲げ、2008年8月からミステリーショッピングリサーチとHERBプロジェクトを開始した。HERBプロジェクトとは、お客様の声を取り入れた現場主体の改善活動プログラムだ。その活動が3年目を迎えた今年、着実に成果が現われ始めたプロジェクトの概要を、2010年3月19日に株式会社MS&Consultingが主催した「経営者フォーラム」にて、ドラッグイレブンの当時のプロジェクトご担当者と株式会社MS&Consulting 常務執行役員の渋谷行秀が発表した。

(1)ベンチマークの風土づくり

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博多駅前店スタッフ

プロジェクト開始当時のドラッグイレブンは本部主導の色が濃く、「組織全体が社内の上の方を見て仕事をしており、指示されたことをすれば良い組織」(ご担当者)だったという。まずはお客様視点の会社にすることを目指し、お客様の声を現場に取り入れるべく導入したミステリーショッピングリサーチの最初の平均点は135点。業界平均は150点であったことから、現場に大きなインパクトを与えた。また、HERBプログラムの主要コンセプトであるEIS(従業員感動満足)の考え方は新鮮で、その考え方に基づき、皆で考え、皆で決め、皆で行動するという活動方針が定着。この活動を通して従業員のやる気が引き出されていった。

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売上400億円、150店舗の企業風土を変えることは容易ではなく、一朝一夕で実現できるものではない。まずは16店舗から開始して成功事例を生み出し、ベンチマーキングの風土を作ることを1期目の目標に据えた。「自分達と同じような環境の中で、全く異なる成果を出しているのを目の当たりにしたことの衝撃は本当に大きかった。それが従業員のモチベーションに拍車を掛けた」(ご担当者)という。

HERBプログラムでは、一定期間の間に各店舗の現場で生み出された成果事例を整理し社内共有するために「成果発表会」を実施するが、博多駅前店の取り組み内容が秀逸であり、圧倒的な業績成果が実現されたことによって、組織全体が自分達の取り組んでいる事に対して確信を持つことができた。それにより、同店舗の所属エリア内ではこれをモデルに全店に取り組みが拡がっていった。

(2)成功事例の拡大と店長のリーダーシップ強化

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1期目の活動分析と現状の診断を行った結果、活動の成否は店長のリーダーシップにあることが明らかになった。そこで、2年目はその活動を全エリアに拡大していくことと、店長のリーダーシップの強化を目標としてスタート。対象店舗は50店舗に拡大した。鍵を握るのは、店長のサポート役を担うエリアマネージャー。彼らが中心となって、「部下を育て、モチベートできるリーダーとしての店長の育成」(ご担当者)を目指したという。

2期目の成果発表会では、博多駅前店に勝るとも劣らない成果創出店舗が続出。エリア内での成果を共有し、皆で学び、伸びていくという風土ができ上がってきた。何よりも大きなポイントは、エリアマネージャーが主体となって改善活動を独自に進めていく体制が自然と実現されたことだ。ミステリーショッピングリサーチの結果も右肩上がりで、150店舗の全店平均は開始当初の135点から155点まで飛躍的に向上した。

(3)店舗内におけるナンバー2人財の育成

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3期目となった今年は、このような成果事例共有の活動が日々の習慣となる、即ちコミュニケーションの前提となり、マネジメントの一環となるような状態を目指しているという。そのためにやろうとしているのは、エリアマネージャーの主導で店舗内でのナンバー2を担う人財を育成し、活動の浸透度を高めることだ。

最後に、ご担当者はEISについてこう語る。

「EISを実現するにはお金が必要だと思っていましたが、そういったことではなく、各スタッフに役割や責任を持たせるということが、一番EISの向上に効果がありました。役割や責任が仕事のやり甲斐を生み出し、笑顔を増やし、雰囲気を変えていったのです。改善活動が進むにつれ、CIS(顧客感動満足)に直接関係することだけでなく、店舗運営の効率化を実現する提案も多く出されました。お客様の一番近くにいる人達が知恵を出し合うことの素晴らしさを実感しています」(ご担当者)

ご担当者と渋谷によるこの発表を通じて、HERBプロジェクトが従業員の主体性を引き出し、皆で考え、皆で決め、皆で行動するという現場の改善活動を促進するプログラムとしてフォーラム参加者からの注目を浴びた。ドラッグイレブンはこれから先、エリアマネージャーを通じて活動を全店舗に拡大させていく計画だ。心温まるサービスを兼ね備えたドラッグストアとして、九州No.1への挑戦は続く。

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