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株式会社タイトー

ゲーム機器開発から店舗運営・接客まで。感動を生む店づくりを目指した、全社横断プロジェクトに挑む 株式会社タイトー

2009/11/09 更新

標準化のポイントは同じ目線を持つこと

これらの活動を続ける中で、課題が見えてきた。「サービスというのは自主性を養うことだと思っています。トップ ダウンではなくボトムアップを狙っていましたが、なかなか主体的な取り組みにつながらなかった」(相見部長)。ブランド認定制度の開始当初は、主体性を重 視して本部からの働き掛けをあえて少なくした結果、認定店舗は上期で13店と低迷。そこで、下期からは営業部会議や部長会議などを通じて働きかけを強め、 なぜクリアできなかったのかを検証し、クリアするために何をいつまでにやるかなどのスケジュールを明確にした。その結果、下期には申請する店舗が増え、通 期で82店舗が認定されることとなったのだ。

しかし、こうしてブランド認定店舗を増やすことには成功したが、今度はCSレベルの継続・維持の状況が店舗に よって大きくばらつくという新たな問題が発生。結果として、認定のための改善活動となってしまっていたことが浮き彫りとなった。ここでもまた、自主性をど のように引き出すかというのが共通した課題だった。

それを改善するために意識し続けたポイントが、本部から現場まで全員が「目線を合わせる」ことだ。店舗のチェッ クは営業部長とSVが一緒に回り、別々にチェックしてすり合わせし、ギャップがある場合は同じ基準にしていく。次に、SVとマネージャー、さらにマネー ジャーとアルバイトリーダー、そしてアルバイトと目線を合わせ、ブランド基準のブレをなくしていこうとしている。

そして、現場への落とし込みで効果を発揮しているのが店舗ミーティングだ。マネージャーの思いや目的を伝えるだ けでなく、課題となっているチェック項目に対してロールプレイングを行い、クリアしていくというもの。ミーティングを開くことで、マネージャーとアルバイ トのコミュニケーション機会が増えたことから、店舗の運営がスムーズになるというメリットも出てきたという。

また、ブランド認定を取得した店舗の中には、オリジナルのマニュアルを作ったり、挨拶や声掛けのキャンペーンを 実施するなど、独自の試みをする店があることが分かった。そこで、広報の協力を得てヒアリングを実施し、その中から特筆すべき例をピックアップして社内報 に「店舗のツボ」というコーナーで毎月掲載した。成功事例の水平展開を狙う。

接客スターコンテストでモチベーションをアップ

接客スター制度は今年で3回目を迎えた。優れた接客技術を有するアルバイトを評価し、モチベーションの向上につなげるのが目的だ。大会翌日には参加者がディズニーランドを楽しみ、遊びながら接客を学ぶというのは、アミューズメントのタイトーならではの試みと言える。

接客スター制度は今年で3回目を迎えた。優れた接客技術を有するアルバイトを評価し、モチベーションの向上につなげるのが目的だ。大会翌日には参加者がディズニーランドを楽しみ、遊びながら接客を学ぶというのは、アミューズメントのタイトーならではの試みと言える。

前述のスリースター制度は店舗の運営を対象としたものだが、接客を行うスタッフを対象としたユニークな試みが、 「接客スターコンテスト」だ。これは、接客に対してインセンティブを与える場を作ろうと、ブランド委員会発足と同時に始めたもの。全国の営業部が管轄する 店舗で、自選・他選のアルバイトの中から投票で候補者を選出。営業部でブランド認定のチェック項目に沿って得点を付け、各店の上位2名が決勝に進む。ディ ズニーランドホテルで行われる決勝では、ファイナリストが会場に設置されたゲーム機でお客様役に対して3分間のロールプレイングを行う。本部の審査員と ディズニーランドのシニアバイザーが審査員となり、トップを決める。優勝者には、スリースター制度と同様にアメリカ・ラスベガスの研修旅行が与えられる。 また、出場者には星のロゴ入りバッチが与えられ、これがステイタスとなる。なお、コンテストの翌日はディズニーランドを楽しみ、接客など学ぶべきことに関 してのレポートを提出させている。

もう一つの狙いは、接客が素晴らしい人たちのノウハウを共有し、標準化させることにある。決勝会場の様子を収録してDVDにして全店に発送し、店舗ミーティングで接客向上のツールとして役立てている。

ブランド認定が目的ではなく継続・維持こそが肝心

昨年3月、ブランド作りの一環として、タイトーアミューズメントスクールを開校した。海老名にある開発センター の中に疑似フロアを設け、新入社員研修を実施。また、昨年からスタートしたフランチャイズビジネス(FC)のOff-JT研修(※)にも活用している。ま た今後は、FCに対するブランド評価制度の導入やコンテストへの参加も決定し、正式に動き出している。一方、アルバイト採用時の導入部分の研修が弱いこと から、今年度はトレーナーの育成を図っていく。

※Off-JT:職務の遂行を通じて教育を行うOJTに対して、職場を離れて行う人材教育のこと。

また、従来のオペレーションマニュアルは形骸化してきたこともあったため、マニュアルを刷新。ブランド認定のた めのチェック項目にはそれぞれ、マニュアルの適用ページが記されており、できていないとチェックを入れられた場合は、すぐに具体的な改善ポイントが分かる ようになっている。

このように、ハード・ソフト両面の整備を進め、3年目にして全体が線として機能するようになった。

なお、今年からブランド認定制度を一部改定している。これまでは、営業部審査の後に、外部のコンサルタントによ る審査という流れだったが、この間に本部審査を入れた。これは、接客に対する意識は向上したものの、クレンリネスなどの店作りができていないという反省点 があったためだ。そして、改めて認定された82店舗全店を本部で再チェックし、不合格となった店舗に関しては、1ヵ月以内に改めて再申請して、合格となら なければブランド認定のはく奪となる。認定を取ったらそれで完結ではなく、継続・維持することがCSの向上には重要という点に立ち戻ったわけだ。

同社の和田洋一社長は、「最高の物語の提供」という理念を掲げると共に、「原点回帰」を説く。

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