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株式会社フレスカ

理念の落とし込みとユニークなオペレーション定義でCS向上を実現 株式会社フレスカ

2009/07/01 更新

「また来たいのレシピ」で最高のサービスを定義

「幸せのレシピ」の一つである「また来たいのレシピ」が、同社のサービスレベルを一気に引き上げた直接的な要因である。これは、同社において「お客様にまた来たい」と思ってもらえる方法をまとめたもので、お出迎えと挨拶の徹底の仕方、ご案内の仕方、メニューのお勧めの仕方から感想の聞き方、お見送りの方法など、お客様が入店されてからお帰りになるまでの様々なステップにおいて、最高のサービスとはどういうものかを明快に定義し、分かりやすい文章で誰もが実践できるようにしている。

この作成も、全員参加型で行うのがフレスカ流だ。過去のミステリーショッピングリサーチ(MSR)の調査レポートを全て振り返り、高評価だった時とそうでなかった時のレポートを比較分析し、どんな時にお客様が「また来たい」と思うのかを業態ごとに全員で検討した。それを、お客様の反応に対する具体的なセリフの雛形や行動にまで落とし込んでいる。

さらに、作成後の実践方法にも工夫がある。「また来たいのレシピ」徹底のために、店長会議で、パートナーへの伝え方、レシピの内容のロールプレイングを繰り返した。それを基に、店舗でもレシピの内容をロールプレイングし、それを実践することで、サービスレベルを一気に塗り替えた。

「また来たいのレシピ」事例

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お客様:「何かお勧めはありますか?」
店員:「ホルモン系はお好きですか?」

お客様が「YES」の場合 「ずばりホルモンをお勧めします。冷凍されていませんのでプリプリでとてもジューシーです。処理して70時間以内にお店に納品されたものです。冷凍されていませんので焼いても繊維が壊れていないので縮みません。脂もしっかりのっていてとてもジューシーな味わいがありますよ」
お客様が「NO」の場合 「ホルモン系はお好きではないとのことでしたが、当店のホルモンはホルモンが苦手な方でも召し上がられるものなので、よろしかったらお試しになりませんか? 常連様の9割が注文されるメニューで、冷凍されていませんので~(中略)~ジューシーな味わいがあります。当店にいらっしゃったなら、ぜひとも召し上がって頂きたいメニューです」

お勧め強化で原価率改善、MSR全店平均が20点アップ

また来たいのレシピ」は、原価率や客単価にも波及効果を生んだ。

「『また来たいのレシピ』には、お勧めの仕方も詳細に描かれています。例えば、弊社の強みはホルモンですが、意外と新規のお客様がホルモンを召し上がらずに帰ってしまうということが多かったのです。お店の一番の強みを伝えられないで帰してしまうなんてもったいないということで、ホルモンのお勧めの仕方を皆で決めました。ホルモンは新鮮さが命。入荷されたらすぐにお勧めして、冷凍する前の生で新鮮なうちに食べてもらおう、とスタッフに働きかけることで原価率も下がりましたし、お客様に美味しいものを美味しいうちに召し上がって頂けるお店になってきたと思います。また、スタッフに提案力が付き、客単価もアップしました」(吉田部長)

このような変化のポイントは、取り組みの順序にあると言う。全員参加で経営理念を作成し、幸せのレシピでそれを表現し、「また来たいのレシピ」に落とし込んで徹底する、という流れを汲むことで、やらされ感を排除した。

「いきなり『また来たいのレシピ』だけ作っても、オペレーションの強制になってしまっていたかもしれません。考え方を表した『幸せのレシピ』を最初に理解してもらい、実践によってお客様の喜ぶ姿を体感できる『また来たいのレシピ』を徹底することで、意識と行動の両面から働き掛けることができました。また、ホルモンのお勧めにしても、単に客単価を上げ、原価率を下げようというようなお店目線の取り組みではなく、お客様にお店の魅力を知ってもらうための取り組みとしたことが成功要因だったと思います」(吉田部長)

一連の取り組みによって、MSRの平均得点は、焼肉業態の全国平均161点に対し、09年5月は174点。取り組み開始当初、08年9月には156点だったところから徐々に点数を上げ、20点も向上させた。

目指す組織は「いびつなピラミッド」

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今年4月にはショッピングセンターに1店舗、8月と10月にも各1店舗と、着実な出店拡大を行う同社の課題は、本部体制作り。これから目指す組織体制を、石井社長は「いびつなピラミッド」と表現する。本部主導で組織展開を行うのではなく、現場の主張を最大限に生かす組織。それには、指示命令系統が整ったピラミッドの頂点に本部があるのではなく、目的に向かって個々が考え、下からも上からも意見が出てくる組織と、それを支える本部が理想だという。今後は、店舗拡大に合わせて、店舗をサポートしていけるような人財を早期に内部育成する方針だ。柔軟な組織体制を活かした、同社の人財育成は現在進行中である。

「大切にしているのは、得意なことを伸ばせる社風。自分たちがやりたいことを形にできる組織にしたい」と石井社長は締め括った。

■担当コンサルタントが語るこの企業の強み
株式会社MS&Consulting 西山博貢

フレスカ様の特徴は、現場の自由度にあると思います。本部で掲げた目標を下ろし、進捗管理するのではなく、何をするにもボトムアップを重視されるのです。そのような組織風土が実現できるのは、創業時からの想いに加え、現場の個性を容認できる収益性を備えた業態フォーマットに理由があるのではないでしょうか。試行錯誤による失敗も受け入れることができ、マネジメントを任せられる環境があると、パート・アルバイトをはじめ社員の方々の個性が発揮されやすくなります。個々の力が最大限に活かされた時、伸びしろは未知数と言えると思います。

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