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人間力を高める「独特のアプローチ」と、
徹底したお客様思考による「マーケティング施策」

株式会社ハーバーハウス(居酒屋業態)

株式会社ハーバーハウス

福岡市博多区博多駅南6丁目6番33号

ウェブサイト:http://www.harbor-house.co.jp/

ざうおウェブサイト:http://www.zauo.com/

『季刊MS&コンサルティング 2009年春号』掲載
取材・文:西山博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
九州生まれの「釣船茶屋ざうお」。お店で釣りができて、さばいたばかりのうまい魚が食べられるエンターテイメント型居酒屋として常に注目を浴びてきた株式会社ハーバーハウス。その業態の目新しさにおごることなく、組織力による改善活動で、2008年は過去最高益をあげた。 道路交通法の改正や原油の高騰など、様々な危機をもチャンスに変える同社の取り組みを代表取締役副社長の高橋拓也氏に伺った。

人間力が一番大事

代表取締役副社長 高橋拓也氏

代表取締役副社長 高橋拓也氏

色々な教育の術があると思いますが、そのもっと前に、「人間力を鍛える」ことが大切というか…。京セラの稲盛社長の『生き方』(※)という本が好きで行動の指針としているのですが、まさにそこだと、僕は思っています。人間力を磨く教育がしっかりできていて、初めて技術だったり、お客様に喜んでもらいたいという気持ちが育つ。理想とする生き方を共有し、実現できるように動機付けや働きかけができることが、今一番大事ではないかと思っています。

※稲盛和夫『生き方―人間として一番大切なこと』2004年7月、サンマーク出版

私の考える人間力とは、どんな状況も自分に与えられた試練と考え、それをチャンスと捉え、頑張れる力です。そういう気持ちを自分が持ち続け、どんな試練にも立ち向かう。そのような自らの生き様を見せることが教育につながると思っています。

謙虚な気持ちこそが究極のポジティブ

相田みつをの「いいことはお陰様 悪いことは身から出たさび」という言葉が好きなんです。何でもかんでも成功すると「俺がやった」で、失敗すると「あいつのせい」と言いたくなるじゃないですか。でも、成功して良い風土、良い環境になったというのは、本当にお陰様なのです。クルーまで含めた現場のスタッフが変わって行動しているからこそ良くなったのであって、成果は幹部陣や経営者が上げたものじゃないですよね。すべての人がお陰様と思えたり、自らを反省できたりするような風土を作りたいと考えています。このような謙虚な気持ちの中にこそ究極のポジティブがあるような気がするのです。

高橋副社長の行動指針

行動指針

行動指針

ハーバーハウスに、クレドはない。しかし、高橋副社長が個人的に作った行動指針が、今では社是のように扱われており、社内ではその考えに共感して皆が携帯している。

「周りから色んなことを言われたり、環境が悪かったり、人間関係が上手くいかなかったり、売上が上がらないお店で働いているだとか、嫌なことって山ほど起きてくるでしょう。そういうときに、それらが自分に与えられた試練で、自分が大きく育つための肥やしなんだと思い、立ち振舞っていくことが必要です。そういう時の人間は、ポジティブでプラス思考です。しかし、そういう想いになる大前提として、自分に謙虚さがないといけません。環境のせいにしたりするっていうのは、謙虚ではありませんよね」。この高橋副社長の言葉からも、社是に込められた「謙虚な気持ちを持つこと」への想いが感じられる。

 ミステリーショッピングリサーチ(以下、MSR)を続ける理由

お子様連れの家族向けキッズムールの水槽には、観賞用にサメ、エイなどが泳いでいる(写真は川口店)

お子様連れの家族向けキッズムールの水槽には、観賞用にサメ、エイなどが泳いでいる(写真は川口店)

弊社では、発展し続けるためにひとつの活動を継続することはあまりしません。MSRをうちがこれだけ長い間契約しているということ自体が、弊社にとってはすごいことです。

MSRを続けている理由は、私たちが偏りがちな売り手視点を、お客様視点に戻させてくれるというところです。

お客様目線という言葉自体、売り手視点から生まれた言葉なのでしょう。私達は、働いているとどうしても売り手視点になってしまいます。つまり、お客様の立場で考えられなくなっているのです。飲食業界で働いていると、普通にお店に飲食に行っても、お客様の立場になれないのですよね。同業者の立場でしか、サービスを受けることができなくなっている。MSRはそこをちゃんとお客様の視点に戻してくれ、売り手視点を一回リセットしてくれる。これこそが、MSRを続けている理由だと思います。

一方で、MSRをアンケートの一環のように考えると、現場スタッフにとってこれほど面白くないものはないと思います。「ひと月に1000組近くいらっしゃるお客様の中の、たった一人の評価。これで現場を判断するのか」ということを思う社員がいましたが、それは、MSRをアンケートと同じように統計的に使おうとするからです。アンケートとMSRでは、使い道が全然違うと僕は思っています。「1000組いらっしゃるうちの一人のお客様にでもこう思われている」と考えることが大事です。統計的に取るのであれば、アンケートを山ほど取れば良いですからね。弊社では、MSRをたった一人でも大切なお客様の声だと受け取れる人間が、リーダーや店長になるべきだと考えています。