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感動商品“どろ焼”の提供を通じて、
人と人との出財から生まれる感動を全国へ広げていきたい

株式会社ラ・カサコーポレーション(鉄板焼・お好み焼き業態)

株式会社ラ・カサコーポレーション

兵庫県姫路市北条梅原町230

会社ウェブサイト:http://www.nanpuu.co.jp/

『フードビジネス通信 2007年10月号』掲載
取材:村井暁介
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
「感激・感動・感謝」を理念に掲げ、ダシにつけて食べるオリジナルのお好み焼き”どろ焼“を看板商品とする『喃風(なんぷう)』を展開する株式会社ラ・カサコーポレーション。代表取締役の秦 崚時(はた りょうじ)氏に、店舗展開を進めていく上での思いを中心にお話を伺った。

今までにない粉物で、お客さんの驚く顔が見たい

『喃風』と言えば、オリジナルのお好み焼き“どろ焼”ですが、この商品はどのような経緯で生まれたのですか?

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株式会社ラ・カサコーポレーション 代表取締役 秦 崚時氏

“どろ焼”は、説明のために「ダシにつけて食べるお好み焼き」と表現していますが、実際に食べていただくとおわかりのとおり、従来のお好み焼きとはまったく違ったものです。中はトロッとしていますが、外側はカリッと香ばしく焼いていて、それを特性のダシにつけてお召し上がりいただきます。お好み焼きとも、もんじゃ焼きとも違う、新しい食感を楽しんでいただけると思います。

また、今までになかった目新しさという点だけではなく、“どろ焼”はお好み焼きほど重くないので、お子さんからお年寄りまで、幅広い層の方に召し上がっていただけるという点も魅力だと思っています。

この商品が生まれたいきさつは、お客さんのお子さんの言葉なんです。まだ自分が一人でお好み焼きの店をやっていたときの話ですが、いつもお子さん連れで来られる常連さんがいらっしゃいまして、その子が「お好み焼きだけじゃなくて、たこ焼きも食べたい」と言うんですね。しかし、そんなに広い店ではなかったので、新しくたこ焼き用の鉄板を置くスペースがなくて、作ってあげられない。でも、お子さん連れで来られる方は他にも結構いらっしゃいましたので、どうにかしてたこ焼きも作れたらいいな、食べさせてあげたいなとは常々思っていたんです。それで、あるときひらめいて、たこ焼きの生地を普通の鉄板に広げて焼いてみました。すると、それを食べたお子さんが「たこ焼きの味がする!」と非常に喜びまして。材料は一緒ですから、まあ当たり前なんですけどね。

それがきっかけで、今度はお好み焼きの生地をそのたこ焼き風に焼いてみました。うちの店は、関西では珍しくダシのきいた柔らかい生地を使ったお好み焼きだったんですが、これをたこ焼きのように中はトロッと、外はパリッと焼いた…これが、“どろ焼”のはじまりです。

その後は、「おもしろいお好み焼きがあるよ」ということで口コミで広がりました。外見からして普通のお好み焼きとは違うので、初めてのお客さんにお出しすると「こんなん注文してへんで」とびっくりされることもありまして、それを、連れてこられたお客さんが「いいから、食べてみぃや」と勧めるという具合で。私自身もそうですが、やっぱり初めてのものを食べて驚く顔というのは、見ていて嬉しくなるのでしょうね、その顔見たさにお客さんがどんどんと新しいお客さんを連れてこられるということになりました。ダシにつけて食べるというのは、こちら(姫路)では明石焼きが一般的ですから、それに倣いました。

それほど積極的な募集活動をしているわけではないのに、FC加盟店をここまで増やせたのも、“どろ焼”の商品力の強さによるところが大きいと思っています。加盟店になりたいとおっしゃっていただく方とお話をしていましても、「いくら儲かりますか?」という話にはならなくて、「“どろ焼”をやりたいんですけど、どうしたらいいですか?」とおっしゃっていただく方がほとんどですから。

秦社長は、それまでまったく畑違いの仕事をされていたと伺いましたが、なぜお好み焼きを始められたのですか?

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以前にやっていたビジネスを失敗して、嫁の実家に転がり込んだのですが、嫁の実家というのがお好み焼き屋だったというだけの理由です。

最初のうちは嫌で仕方なかったですよ。それまでの仕事というのは、毎日スーツを着て、大きなお金を動かすような仕事だったのですが、ある日突然、スーツの代わりにエプロンをつけなくちゃいけなくなったわけですから。正直なところお好み焼き屋なんて格好の悪い仕事だと思っていたし、知り合いには絶対見られたくありませんでした。でも、世話になっている以上は手伝わないわけにはいきませんからね。

ところが、そうやって嫌々ながら働くうちに、だんだんと仕事が楽しくなってきたんです。お金をいただいた上に、「おいしかったよ」と感謝されたり、「もっとこうしたらええで」と教えていただいたり、そんな仕事って普通ないですよ。

それと、そのとき初めてお金の重みも学びました。お好み焼き一人前作って500円。前の仕事と比べれば桁がまったく違いますが、その500円の重みを感じるようになりました。「これが自分の天職かな」と考えるようになったのは、その頃です。

そして、その後しばらくして、ある社長から大きなチャンスをいただきました。店をやらないかというお話だったのですが、最初は委託で、3年後に1000万円で店を買い取らせてもらえるという条件でした。私にしてみれば願ったり適ったりの話で、ありがたく受けさせていただきました。決して立地の良い店ではなかったのですが、家族を養うためにも必死で働きました。その甲斐あって徐々にお客さんも増え、3年後には最初の話どおり店を買い取ることができました。

そういう経験をしていますので、自分の店が持てるようになったときに真っ先に考えたことは、自分がその社長に助けられたように、今度は自分が誰かにそれを返していく番だということです。それで弊社では、委託契約という制度を設けています。

ミステリーショッピングリサーチ(以下MSR)は原点に立ち返るためのツール

MSR導入の経緯について教えていただけますか?

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その後は、先ほども申しましたように商品力の強さもあって、順調に店を増やしていくことができましたが、規模を追求することの代償として失ったものが、知らず知らずのうちに増えてきてしまいました。昔は“何を捨ててはいけないのか”が判断できていなかったので、大事なものまで随分捨ててしまっていたように思います。最近になってようやく、そういうことがわかってきたというところです。

失ったものの中でも一番大きいのは、人間力だと思っています。いくら商品に自信があると言っても、商品をおいしく召し上がっていただくためには必ず人間力が必要となってきます。「あの兄ちゃんがいるから、あの店に行こか」「アルバイトの○○ちゃんは、いつも覚えていてくれて嬉しいわ」。これが店の原点だと思います。商品力はその次。ところが、出店を進める中で、そういう部分を疎かにしてしまっていたところがありました。今後さらなる出店を進めるためにも、まずは原点に立ち返ることが必要と考え、そのためのツールとしてMSRを取り入れることにしました。

実際にMSRを導入されてからの店舗の変化や活用方法について教えて下さい。

まだ、全店で上手にMSRを使えているという段階ではないと思いますが、有効に活用できている店は業績も上がっています。

アルバイトの子は自分の店しか知らないので、みんな「うちの店が一番」と思っていますから、MSRで他店と比較することで、何が良くて何が悪いのかを客観的に知ることができるきっかけになります。また、今まではただ漠然と「元気を出そう」とか「笑顔で接客を」というだけでしたが、レポートでお客さんの声をいただくことで、なぜ元気を出さないといけないのか、自分の笑顔によってお客さんがどんな気持ちになるのか、それがわかるようになるので、同じことに取り組むにも目的が明確になります。

今後は、より多くの店でMSRを活用していくことと、自分も含めて経営幹部が人間力を高めていくことで、全店の人間力を今まで以上に高めていきたいと考えています。

“どろ焼”という魅力ある商品を掴めたのは、いろいろな人との出会いがあったからです。また、自分の店を持てるようになったきっかけも、偶然の出会いによるものです。そして、こういう出会いが何によってもたらされたのかと考えてみると、自分なりにちゃんとした姿勢で生きていたら、向こうからちゃんとした人が来たということではないかと思うのです。自分もまだまだ未熟ではありますが、やはり人間力というのは大切だと思います。ですから、今後も商品力に依存するのではなく、人間力も備わった店を作っていくことを目標に、日々努力していきたいと考えています。

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