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我楽多家―お客様も従業員も楽しくなる、
帰って来たくなる家のような場所。
という気持ちを込めて…。

我楽多家(居酒屋業態)

我楽多家

東京都国分寺市本町2-3-9 三幸ビル1F
『フードビジネス通信 2007年6月号』掲載
取材:湯瀬圭祐
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
お客様の喜びを自分の喜びにできる仕事をしたくて不動産業から飲食業へ転身し、数年前に立てたライフプランのほとんどを達成しているという後藤信人氏。現在では『我楽多家』を繁盛させている。同店は、すばらしいスタッフに恵まれ、オープンして半年ではあるが離職率0%を誇っている。

今回は、面接を1~2時間かけて行うという採用方法や、初日の業務でもレジ打ちを任せるなどの新人教育手法、チームワークや人間力を高める秘訣などを後藤信人氏にうかがった。

飲食業との出会いを教えてください。

v11-01大学生の時、新宿の歌舞伎町にある大きな居酒屋で働いていたことが、飲食業に携わることになったきっかけです。同店は、東東京地区で坪単価の売上1位を誇るほどの繁盛店。いつも驚くほど混雑していて、大賑わいでした。

私は同店で、お客様とコミュニケーションすることの楽しさを学ぶことができました。ただ、当時は飲食業へ進もうとは考えず、大学卒業後は不動産の一般企業に就職しました。入社当初に言われたのは“お客様との付き合いは35年間だ”という言葉でした。マンションを売ることで同じお客様と長期に渡って接することができ、大きな喜びを共に得ることができる、なんてすばらしい職業なのだろうと最初は感じていました。ただ、実際に働いてみると…残念ながらその会社には売ったら売りっぱなし、という実態がありました。会社では「契約を結んだあとにお客様にキャンセルさせるな」とか「初めて来たお客様にも購入を決めさせろ」という言葉も飛び交っており、お客様との心のつながりは、なかったのです。

お客様の喜びが自分の喜びとして返ってくる仕事をしたいと思っていた私は、その会社では自分の本当の気持ちに正直になれなかったので、飲食業界へ戻りました。まずは株式会社くふ楽(千葉県千葉市美浜区・代表 福原裕一)で飲食の修行を積ませていただき、独立して『我楽多家』をオープンさせることができました。

独立されたこと、『我楽多家』に対する思いをお聞かせください。

株式会社くふ楽では、お客様の喜びを自分の喜びとすることだけでなく、従業員の成長を喜ぶことや従業員同士で喜びを共有することの重要さも学ばせていただきました。独立を目指していた私にとっては、画期的な発想です。すべての結果につながるチームプレイの大切さがよくわかりました。

株式会社くふ楽で学んだ重要なことは、もう一つあります。目標を立てることです。入社してすぐに、1年後、3年後、5年後、10年後、20年後のライフプランを書くように言われました。仕事だけでなく、健康や家庭面も含めたプランです。計画を立てるからには実行しなくてはならないので、じっくり考え、完成するまで3日もかかりました。

目標があるからこそ自分の力を存分に発揮できることが明確に理解できた時、仕事がさらに楽しくなりました。株式会社くふ楽に入社してから現在までのライフプランは、ほぼすべて達成しています。独立したことや今の収入なども、目標通りです。

採用の時に工夫していることはありますか?

v11-02最初からさまざまな業務を任せています。他店だと入ったばかりの頃はあまりさせてもらえないレジ打ちも、当店では初日からやってもらっています。新人の頃からさまざまな仕事に慣れてもらうためです。新人がミスをするのを、代表である私や先輩スタッフがフォローするのも、当たり前のことだと思っています。新人にはマンツーマンの指導係を付けていますので、お客様にミスがわかってしまう前に、問題点を早めに直していきます。教える際には、口で説明するだけでは相手にきちんと伝わらないこともよくあります。まず自分が動いて見せて、具体的に作業をイメージさせることが大切ですね。

新人の頃からいろいろな仕事を任せることは、チームの結束力を高めることにつながります。当店では、誕生日会やボウリング大会など、スタッフ間のイベントをよく開催しています。ちょっとした罰ゲームも混ぜながら、スタッフ全員で楽しみます。日々のスタッフ同士の交流が増えることで、信頼関係を築くこともできました。

1+1は2ですが、仕事するうえでは2人で2の力を出しているだけでは十分とは言えません。2人いたら10の力、3人いたら20の力、4人いたら40の力、というように、人数分以上の力を発揮することは可能ですから、チームワークはとても重要なのです。新人の教育方法を工夫し、人間力やスタッフ同士のチームワークを大切にしているおかげで、お店がオープンしてまだ半年ほどではありますが、当店の離職率は0%です。

チームワークを大切にして人間力を高めるための取り組みは?

v11-03当社では、叱って育てるのではなく、誉めて伸ばす教育をしています。大切なのは、笑顔の伝染ですね。PAなどスタッフがきちんと仕事できない時の原因は、直属の上司である私達の教育が上手にできていないことにあると思います。PAがミスした時は、ベクトルを自分に向け「ちゃんと教えてあげられていなかったね。ごめんね。」と声をかけています。おかげで、「私こそ、すみません。今後はミスしないようがんばります」という素直な言葉をPAが返してくれる、良い風潮が生まれました。

チームワークを強くしたり人間力を高めたりしたことで、どのような人材が育ちましたか?

スタッフのアイデアから生まれた手作りのウェイティング・チェアー。店内レイアウトとのバランスが抜群。このチェアーの他にも店内はスタッフのアイデアで溢れている

スタッフのアイデアから生まれた手作りのウェイティング・チェアー。店内レイアウトとのバランスが抜群。このチェアーの他にも店内はスタッフのアイデアで溢れている

店舗で使う物はすべて既製品にせず、できる限りみんなで手作りしています。当店の壁や天井の和紙は、すべてスタッフが貼りました。タイルが剥き出しの状態だったキッチンやトイレの壁も、スタッフが力を合わせて塗ったのです。お客様が外で待ち合わせに利用する椅子は、スタッフがデザインしたもの。とても立派な椅子に仕上がりました。素人の集団でも、挑戦してみれば何でもできることに気づきました。一人一人の思いが強く、スタッフ同士や店舗に対する信頼関係があれば、形になるものですね。店舗の環境をよりいっそう良くするためにスタッフがいろいろなアイデアを出してくれるのは、とてもうれしいことです。

掃除でも、スタッフの人間力が生きています。お客様が来店する前に手が空いてしまった時は、清掃すべき場所があるかスタッフ一人一人が自主的に探し、率先してきれいにしてくれるのです。自分が清掃すると“お店を汚したくない”と感じるようになり、よりいっそう心地良くすばらしい店舗にしたいという気持ちも芽生えるものです。

スタッフに対する思いを語ってください。

私にとってはスタッフ全員が、一生付き合える仲間だと感じています。私がスタッフのことを大切にしている気持ちは、心の中に留まっているものですが、口には出さなくても皆には伝わっていると思います。自分の人生においてずっと大切にできる仲間だという意識で接していると、一緒に働くのがとても楽しいですね。また愛のある本気の指摘をスタッフ同士でし合える関係も生まれます。

私がPAから改善するよう提案されることだってありますよ。完璧な人間はいませんから、何も言ってもらえなくなったら終わりだと思っています。もっとすばらしい店舗にしたいとスタッフも考えているからこそ、私も指摘されるのですから、とてもうれしい風土ですね。

ミステリーショッピングリサーチ(以下MSR)の魅力はどこだと思いますか?

v11-05飲食店を営むうえで一番恐ろしいのは、自店だけの判断できちんとできているつもりになり、自己満足に陥ってしまうことです。MSRを導入したことで、内部とお客様の目線がまったく違うことに気づかされました。MSRは、お客様を感動させて顧客満足度100%を達成するための、一つのツールになりますね。MSのレポートは、スタッフ全員に見せています。特にミーティングは行っていませんが、小さい店舗なので直接コミュニケーションできるため、MSRの調査結果が出るといつも、意見交換をしています。誉められることはうれしいので、「輝いていたスタッフ」欄に自分の名前を書いてもらったPAは、モチベーションがとても上がりました。スタッフみんなの笑顔がさらに明るくなり、店舗の環境がより良くなってきています。

今後の目標やビジョンを教えてください。

“お客様も従業員も楽しくなる、帰って来たくなる家のような場所を目指そう”という気持ちを込めて、店舗の命名をしました。店名に恥じないよう、味や気配り、接客を通じて、お客様に感動してもらえる店舗を作り上げていきます。リピート率は、100%を目指します。

さらに“『我楽多家』で良い経験や勉強ができた、『我楽多家』で働いてよかった”と、スタッフにも大満足してもらえる会社にできたらうれしいですね。スタッフは、人に心底から感謝でき「ありがとう」と素直に言うことができる人材になるよう育て上げます。当店には現在、デザイナーの卵や美容師になりたい人など、さまざまな夢を持つPAがいます。将来は彼らと、それぞれのフィールドにいながら何らかの形でリンクしていきたいと考えています。

私と同時期に独立した飲食業仲間とは、これからもMSRを通じて情報を共有していきたいですね。外から指摘し合って、互いを高め合える関係を広げていき、10店舗、20店舗への店舗拡大も必ず実現させたいと思います。

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