アミューズメント業界では今、顧客満足(CS)への取り組みが進んでいる。その中でも、ゲームセンターなどの施設運営・アミューズメント機器開発大手の株式会社タイトーは、サービス品質の向上と、お客様を夢中にさせ感動を生む店舗づくりを目指した全社横断の取り組み「ハッピープロジェクト」を展開し、業界の先端を行く。その目的と戦略を探った。
新たなタイトーステーションブランドの構築のため、「ブランド委員会」を立ち上げたのは2007年1月。タイトーステーションブランドの構築に向けた企画・立案を担う、OP事業部オペレーション推進グループ採用教育部・相見将丈部長(右写真)に、発足の背景を伺った。
OP事業部オペレーション推進グループ採用教育部・相見将丈部長
「それまで、CSは社内的にはあまり大きなウエイトを占めていませんでした。遊戯機械を置いて、お客様に楽しく遊んで頂くという受け身の構えでした。マネージャー(店長)の指導により挨拶などの接客に力を入れる店もありましたが、店舗間の格差がありました。つまり、基準をそれぞれが持っていましたが、全社的に統一・明確化されていなかったのです。そこで、暗黙知を形式知に変え、サービスの基準と品質を可視化させることがテーマとなりました」
ブランド構築に向けてまず初めに取り組んだのが、看板の書き換えとユニフォームの統一。これには1年以上の時間を要し、08年4月に変更となった。看板は赤を基調とし、かつて一世を風靡したスペースインベーダーのロゴを使用。ユニフォームにも赤を採用した。
時を同じくして、「ブランド認定制度」もスタートさせる。標準サービスレベルを「最低限度のサービスのあるべき姿」とし、チェック項目を大きく3つに分類。

1つ目の「ストアスタンダード」は、お客様が安心して安全に遊べる環境を維持するため、「フロアーの床に汚れや損傷はないか」「お客様用のイスに汚れや破れ、欠品など不備はないか」などを確認する。2つ目の「タイトースタンダード」は、身だしなみや挨拶、言葉遣いといった項目で、「制服や靴に汚れは目立っていないか」などを見る。3つ目の「サポート」は接客応対やトラブル応対などの項目で、「トラブル対応の後に“また、何かありましたらおっしゃってください”などのプラス一言が言えているか」などとなっている。
これらの全項目に関して、まずはマネージャーがセルフチェックをし、基準点に達していればエリアごとの営業部に申請。それを受けて、営業部が店舗を2次評価する。これは、マネージャーと営業部との視点のギャップを埋めるためだ。それに合格すると、次は外部のコンサルティング会社が、同じ調査項目で評価する。この3段階をクリアするとブランド認定となり、新ブランドの看板と制服を導入することができる。全150店の認定を目指して始めたが、合格しなければ、新ブランドに移行できないという厳しいものだ。
