ミステリーショッピングリサーチ(以下MSR)で200点満点を取って昨年6月に本紙でも紹介した「ろくまる五元豚」が、ライセンス展開を開始した。ライセンス販売のスキームでもMSRを活用し、加盟店を通してCIS(顧客感動満足)を幅広く提供していく考えだ。今回は、ライセンサーである株式会社クラウドプロスパーの代表取締役 羽中田英治氏と、ライセンシーである「ろくまる五元豚 学芸大学駅前店」オーナー 伊藤哲氏に、ライセンス展開における顧客満足度管理の重要性やポイントについて伺った。
羽中田氏:商標登録されている上州五元豚のしゃぶしゃぶをメインに提供しています。五元豚とは、5つの豚を掛け合わせて1番おいしい状態に作った豚です。豚しゃぶは、そばつゆに付けて味わう「返し豚しゃぶ」、コラーゲンスープで食べる「コラーゲン豚しゃぶ」、カレースープをベースにした「焙煎カレー鍋」、香辛料の入った火鍋「薬膳長寿鍋」の4種類。豚料理を中心に、焼酎に合う和食メニューも揃えています。冷凍食品は、できる限り使いません。料理は、調理人の温もりも加わってこそ、おいしくなるからです。
株式会社クラウドプロスパー 代表取締役 羽中田英治氏
直営店は現在5店舗で丸の内のビジネス街や恵比寿の繁華街、ラゾーナ川崎という大規模商業施設などに店舗を構えています。各地域の環境に合った利用形態になっているので、ターゲットの幅が広く、さまざまな立地に適合する業態と言えるでしょう。客単価は、ディナーは平均して約4700円。ランチから営業している店舗もありますが、基本的にはお酒と一緒に料理を味わうお店なので、ほとんどの店舗の営業時間は夜のみです。
接客では、マニュアルを最重視していません。たとえば、大人のお客様と子供のお客様では話し方や接し方が違いますから、それぞれのお客様やシーンに合わせ、心を込めたサービスにするためです。もちろん、約束事はいくつかあります。例を挙げると、お客様から呼ばれた際「少々お待ちください」ではなく、「ただいまお伺いします」と返事することになっています。「少々お待ちください」だと、お客様に“相手にされていないな”と感じさせてしまうことがあるかもしれません。「ただいま伺います」なら、お客様が“邪険にされていないな”と思ってくれるでしょう。サービス思想はマニュアルに記したり研修で話したりしています。他のことについては、直営店に限らずFC店も含め、各店舗の運営方針がありますから、当社でノウハウを提供しながら、各オーナーの特徴を生かしてもらっています。
またお店の内・外装は、立地やターゲットに合った設計にしているので、各店舗ごとで異なります。全店舗に共通しているのは、落ち着ける和食業態、というテーマ。カジュアルでオーセンティックな雰囲気に仕上げています。
伊藤氏:私は48年以上、学芸大学駅前に住んでいます。地元で業態転換店「ろくまる五元豚 学芸大学駅前店」をオープンさせていただけたことに喜びを感じ、サービス1番店を目指しています。「ろくまる五元豚」に携わる前は、批判はまったく聞いたことがなく“おいしい”という評判しか耳に入ってこなかったので、食べに行ってみたことがあります。私自身も“本当においしい”と感じました。
「ろくまる五元豚 学芸大学駅前店」オーナー 伊藤哲氏
実際に店舗を運営してみても、入って来るお客様の声はすべて“うまい、おいしい”ばかりです。味の評価が悪いと、従業員の気持ちが萎えてしまうと思いますが、お客様から大変好評な商品力のおかげで、店舗運営の自信につながっています。サービスにもよりいっそう力を入れることができますね。
ろくまる五元豚の人気メニューは、女性だと圧倒的にコラーゲン豚しゃぶです。男性からは、“何が1番おいしいのか”と聞かれることが多いので、自分がおいしいと思う料理をおすすめしています。
羽中田氏:MSRは、店長評価制度の基準や、各店舗の問題点・良い点を店長会議で判断するツールとして、活用しています。他店舗と比較できるため、店長たちはMSレポートの点数を常に意識しているようです。私は点数だけでなくコメントもよく見ています。会議では、コメントの内容について徹底的に話し合います。MSRはログインページから他社のデータも一覧表示できるので、自社のサービスが全国ではどのレベルなのかを知ることもでき、他社との比較にも大変役立ちますね。社内でも、マネージャーが店舗へ出向いて調査を行う制度があります。調査項目は、MSRを参考にして作成しました。

